京都府美山町の茅葺き屋根が並ぶ美しい集落で開催された「MinkaMeets@Miyama」。
6月7日・8日の2日間にわたって行われたこのイベントは、伝統建築と古民家再生の未来を見つめ直す場として、国内外から建築の専門家や文化を愛する人々が集まりました。主催は、古民家文化の保存と継承を目的とする NPO法人 Minka Preservation Society(民家保存協会)です。

今回で2回目となる MinkaMeets のテーマは、
「Restoration, Renovation, Redesign:Preserving Minka in the 21st Century(修復・改修・再設計:21世紀の民家保存)」。
空き家問題や地域文化の価値をめぐって、熱い議論が交わされました。

特に印象的だったのは、福井県大飯町にある築200年の茅葺き古民家をめぐるセッションです。
一度は移築されながらも、近年は解体命令が出ていたこの建物。
そこに新たな可能性を見出したのが、茅葺き職人であり伝統建築保存の専門家、西尾春夫さんでした。
「古いものを壊すのが当たり前ではなく、未来の人のために今できる最善を尽くしたい」
という彼の言葉は、多くの参加者の心に深く響いていました。

パネルディスカッションには、西尾さんに加え、民家再生の第一人者・滝下義弘さん、スウェーデン出身のサステナブルデザイン専門家ニルス・ウェッテルリンドさん、そしてフィリックスも登壇。

フィリックスは祖父サー・テレンス・コンランの精神を受け継ぎ、奈良県東吉野村を拠点に「地方から世界を豊かにするデザイン」を探求しています。
今回の美山での議論でも、自然と共存する暮らしの中から生まれる新しいデザインのあり方を語り、多くの共感を集めました。

この2日間を通して改めて感じたのは、「古民家は過去の遺産ではなく、未来へのヒントである」ということ。
美山町という自然と文化が調和する場所で交わされた多様な視点は、地域と建築、そして人のつながりを見つめ直す大切なきっかけとなりました。

主催の Minka Preservation Society の皆さま、そして温かく迎えてくださった美山の皆さまに、心より感謝申し上げます。
私たちも、こうした出会いを糧に、日本の地方や伝統が持つ可能性をデザインの力でつないでいけるよう、これからも取り組んでまいります。

 

▼イベント詳細はこちら
MinkaMeets@Miyama — Minka Preservation Society


Ha Partners

Takumi Matsuda